「今働いている業界はもう成長が見込めそうもないから、別の業界に転職したい」
「今の職種は入社前の希望と違うし向いていないみたいだから、転職したい」
など、さまざまな事情から未経験の業界や職種への転職を希望する人がいます。
そうは思っても
「未経験で本当に転職できるのか?」
「未経験での転職はできるのは何歳まで?」
と不安に感じて、一歩を踏み出せないでいる人も多いのでは。
ここでは、そのような疑問に答えつつ、未経験者が転職成功するために必要なことと、未経験者にオススメの転職先も紹介します。
未経験で本当に転職できるのか?
求人を検索すると「未経験歓迎」という募集をよく見かけますが、本当に未経験の人が転職できるのでしょうか?
できます。
ただし、未経験の転職は簡単ではありません。
そもそも、「未経験」と言っても以下の3パターンがあり、それぞれ転職の難易度が異なります。
・業界は未経験だけど職種の経験あり
・職種未経験
・業界も職種も未経験
業界未経験は転職成功の可能性大
・IT業界の営業職から食品業界の営業職へ転職
・自動車業界の経理職からアパレル業界の経理職
というような転職なら、転職成功の可能性が高いです。
転職先の業界は未経験であっても、営業職や経理職としての経験と実績が評価されるからです。
これまでの実績やスキル・資格を転職先で活かせることをアピールできれば年収アップも可能です。
職種未経験は転職活動で苦戦することも
「未経験大歓迎」という求人には、募集職種の経験者も応募してきます。
募集している職種に経験者と未経験者が応募してきた場合、有利なのは経験者の方です。
そのため未経験の職種への転職活動は苦戦しがちです。
どうしても未経験の職種に転職したい、というのであれば、
- 職種に関連する資格を取得する
- 職種に関連する学校や通信講座で勉強する
などして、熱意をアピールすることができます。
業界・職種の両方未経験は20代なら可能性あり
20代、特に20代前半なら、未経験の業界・業種への転職成功の可能性が高いです。
20代前半の人は「第二新卒」として、新卒採用と同様に採用してもらえるチャンスがあるからです。
明確な定義はありませんが、一般的には卒業後に就職してから3年以内に転職活動をする人を第二新卒と呼んでいます。
企業が業界・業種ともに未経験の人を採用する場合は、入社後に会社に馴染んで大きく成長するポテンシャルがあるかどうかを評価します。
未経験の転職は何歳まで大丈夫?
「転職は若い人ほど有利」と言いますが、未経験の転職はもっと年齢の制限が厳しくなるのでしょうか?
ここでは、20 代、30代、40代の年代別に未経験の転職事情を解説します。
20代で未経験の業界・職種に転職は「可能性大」
未経験の業界や業種に転職するには20代が一番成功の可能性が高くなります。
特に20代前半の人は「第二新卒」として新卒者と同じように未経験の業界や職種で採用してもらえるチャンスがあります。
20代後半になっても、未経験の職種に転職できる可能性はまだ大きいです。
また、20代後半の人ならある程度のキャリア形成ができています。
そのため即戦力として今と同じ職種で未経験の業界へキャリアアップの転職も狙えます。
30代で未経験の業界・職種に転職は「即戦力を期待」
30代になると、未経験の職種への転職は難しくなります。
仮に未経験の職種へ転職できたとしても、新人と同じレベルの扱いになってしまい年収がダウンすることを覚悟したほうがいいです。
企業が30代の人を採用する場合、採用のポイントは「即戦力」として入社後すぐに働けるかどうかということです。
30 代なら、これまでの職歴と実績を活かすことで、未経験の業界でも今と同じ職種ならば即戦力として転職できる可能性が高いです。
40代で未経験の業界・職種に転職「即戦力プラスαが必要」
40代で未経験の職種に転職できる可能性は30代よりさらに低くなります。
残念ながら、難しいというより可能性はほぼないと考えた方が良いかもしれません。
企業が40代の人を採用する場合は、「即戦力」になるだけでなく管理職として「マネジメント能力」が優れていることを求めています。
そのため即戦力として働けるだけの経歴と実績があって、かつ、マネジメント経験があるだけではなく、未経験の業界でも転職前と同じ職種に転職できる可能性大です。
例えば、保険業界のマーケティング部門の部長職からIT業界のマーケティング部門の部長へ転職というようなケースです。
ただし、このような40代向けの求人は一般に公開される案件があまりないので、ハイクラス転職エージェントを利用する方が転職成功に結びつきやすくなります。

未経験の転職先でオススメはここ
未経験の転職は容易ではありませんが、その中でも以下の業界や職種は未経験でも比較的転職しやすいです。
- 営業職
- 介護職
- IT 業界
- 運送業界
- 美容業界
営業職|「未経験大歓迎」の求人が多い職種
営業職の求人で「未経験歓迎」の場合は、
- 別の業界で営業職の人
- 全く営業職の経験がない人
のケースがあります。
営業職の経験がある人は即戦力として採用されますが、それでも転職先で営業する商品やサービス、そして営業方法について入社後に習得しなければなりません。
「全く営業経験のない人」でもOKというのは正に今回の未経験の転職になりますが、営業職自体未経験でも転職しやすい職種です。
営業職に必要な
- 人当たりの良さ
- コミュニケーション能力
- 営業先で断られ続けてもヘコまない強さ
- 成績が伸び悩んでも落ち込まないメンタリティ
というような能力を持っている人を採用したいという企業が結構あります。
介護職|30代、40代でも未経験OK
介護職はかなりの人手不足なので、「資格不問」「未経験大歓迎」の求人が多く出ています。
30代や40代でも未経験OKなのが特徴です。
介護職の場合は、無資格でも利用者の自宅で身体介護する訪問介護以外の仕事をする「介護助手職」があります。
また年以上の実務経験を積めば、「介護福祉士」の国家資格取得が可能になります。
そのため資格取得のサポートをしてくれる介護施設に勤務すると「介護福祉士」をはじめとする介護関連の資格を取得して、長期のキャリアとして介護職を続けることができます。
IT業界|20代は未経験者でもITエンジニアに転職できる可能性大
成長を続けるIT業界は慢性的に人手不足のため求人が常に多数出ています。
IT業界の場合は、
- 「未経験歓迎」のITエンジニア
- 「業界未経験歓迎」の営業職やマーケティング職
などの求人があります。
プログラマーやSE(システムエンジニア)などのITエンジニアの場合、未経験者はプログラミングを入社後に社内研修や独学で学びます。
なので、プログラミング以外にITエンジニアとして必要な
- 新しいことを学び続ける姿勢
- 地道な仕事をやり続ける力
- 周囲とのコミュニケーション能力
などが、採用時の評価対象になります。
ただし、未経験歓迎というITエンジニアの求人は、通常30歳未満の人を対象にしています。
営業職やマーケティング職の場合は、別の業界であっても採用にあたって実績や経歴が評価の対象になります。
即戦力としての採用になるので、30代以上でも可能性ありです。
美容業界|入社後の研修が充実しているから未経験者でも大丈夫
美容業界は「未経験歓迎」の求人が多い業界です。
- エステや脱毛サロンで働くエステティシャン
- ネイルサロンのネイリスト
- 化粧品や美容用品の販売スタッフ
などは、入社後の研修が充実しているので、未経験者が転職しやすいところです。
美容業界では、技術は入社後の研修やOJTで取得できるので、それよりも「人当たりの良さ」や「コミュニケーション能力」が採用時に評価されます。
また、国家資格が必要な美容師でも、ヘアサロンで「未経験歓迎」の求人があります。
この場合は、美容師見習いとして働きながら美容専門学校の夜間クラスや通信課程で美容師の資格取得を目指すことになります。
運送業界|小型トラックのドライバーに転職できるかも
運送業界はドライバー不足のため「未経験歓迎」の求人が多く出ています。
普通自動車免許を持っていれば、未経験でも小型トラックのドライバーに転職できる可能性が高いです。
- 運転免許制度改正により、普通免許の取得時期によって運転できるトラックの積載量が異なります。
ただし転職しやすいとは言っても、時間厳守で安全面に厳しい業界であることに注意しておいてください。
未経験者が転職成功するために必要な5つのこと
未経験の業界や業種に転職するのは簡単ではないことを説明してきましたが、そんな状況の中どうやって転職活動をしたら良いのでしょうか。
ここでは、未経験者が転職成功するために必要な以下5つのことを解説します。
- 未経験の業界・職種にあえて転職する理由を明確にする
- 過去の職歴から自分にできることは何かを明確にする
- 関係する資格取得または取得に向けて勉強する
- 業界・企業研究を念入りにする
- 転職エージェントを利用する
未経験の業界・職種にあえて転職する理由を明確にする
「今の仕事に向いていないみたいだから」
「憧れているから」
「チャレンジしてみたいから」
など、何となくふわっとした理由で転職を希望しても、志望動機として採用側を納得させることはできません。
具体的に、「今の業界ではどうしてもできない〇〇を、この会社でやってみたい」というような、それを読んだり聞いたりした人が「なるほど」と納得できる明確な転職理由が必要です。
過去の職歴から自分にできることは何かを明確にする
どんなに小さな仕事でも単純な業務でも、これまで具体的に何をしてきたのかを整理して「〇〇をしてきたので、入社したらxxができます」とアピールできるようにしましょう。
数字で示せる実績があればまとめておきましょう。
役職についていなくても、新入社員の教育に携わった経験、後輩を指導した経験があればアピールポイントになります。
関係する資格取得
資格の取得は絶対必要ではありませんが、希望する業界や職種に関係のある資格を取得したり、取得に向けて勉強していることは、転職に対する熱意のアピールになります。
「プログラミングスクールに通っている」
「日商簿記2級を取得した」
「TOEIC◯◯◯点に向けて英語を勉強中」
など資格取得までいかなくても、それに向けて勉強していることでも十分転職への強い意志があることを示すことができます。
業界・企業研究を念入りにする
未経験の業界に転職を希望するなら、その業界や応募する企業を念入りに研究しましょう。
公式サイトや求人票でわかる情報だけでなく、
- 新聞、ニュースサイト、業界誌、会社四季報を読む
- その業界や企業で働く人に直接話を聞く
などして、業界や企業についての理解を深めておきましょう。
深く研究することで、本当にその業界や企業に転職したいのかが良くわかるようになります。
また、採用する側も、あえて未経験の業界に転職を希望しているのなら、当然よく勉強してきていると思っています。
転職エージェントを利用する
今の時代転職する歳、転職エージェントの利用は必須です。
未経験業界への転職をサポートする転職エージェントもあります。
これまで紹介した
- 未経験の業界・職種にあえて転職する理由を明確にする
- 過去の職歴から自分にできることは何かを明確にする
- 関係する資格取得
- 業界・企業研究
を一人で全部するのは負担になる、と感じる人は転職エージェントを利用するのも手です。
転職エージェントに登録すれば、専任のアドバイザーからアドバイスやサポートをしてもらえます。
転職エージェントは利用者の適性を考慮して求人を紹介してくれるし、応募書類の添削や面接対策もしてくれるので、転職成功率が高くなるとも言われています。
登録・利用料は無料なので、気軽に利用できます。
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未経験の転職について まとめ
未経験の業界や業種に転職するのは簡単ではありませんが、しっかり事前準備をすれば充分に転職可能です。
まずはここで紹介した転職成功に必要な5つのことを実践して、実現に向けて一歩を踏み出してみてください。
20代の人は未経験の業界・職種両方とも視野に入れて転職活動して大丈夫です。
30代以上の人はこれまでの職歴と実績を活かして未経験の業界で今と同じ職種に転職というパターンが最も成功する可能性が高いです。