退職代行とは「『会社を辞める』と言えない」、「退職を伝えても受理されなくて困ってる」そんな会社員に代わって「会社を辞める」と伝えてくれるサービスです。
どうしても会社が辞められない、会社に辞めると言い出せない…など追い詰められ悩んでいるとき、退職代行サービスはその苦痛から解放してくれます。
しかし一方で悪徳な退職代行サービス会社やトラブルもあるため、事前の知識がないとリスクが付きものです。
ということで今回は、この「退職代行」サービスを使って会社を辞める方法について、メリットや注意点、おすすめできる退職代行サービス会社を紹介していきます。
目次
退職代行サービスとは
その名の通り、退職代行サービスに依頼することで、自分の代わりに退職する旨を会社に伝えてもらうことができます。
それでは退職代行サービスがどのようなものなのか詳しくご紹介します。
出社せずに退職ができる退職代行のサービス内容
退職代行サービスにオンラインで申し込みます。
今の状況やいつまでに辞めたいかなどを、退職代行サービスのスタッフとメールや電話・LINEにて相談します。
その後、依頼料を振り込むことで退職代行サービスが会社へ退職することを伝えてくれるようになっています。
退職代行サービスを利用している人はどんな人?
会社を辞めたいと思っているが上司が怖くて言い出しづらい人や社内の雰囲気で辞められない人、また退職届けを出したが受け取ってもらえない、うやむやにされた、などさまざまな理由で辞めることのできない人たちが多く利用しています。
最近では「絶対に退職を認めない!」といった悪質な会社も多いのです。
退職代行会社ができること
退職代行サービスを利用することで、自分から会社に連絡することなく退職することが可能になります。
退職に関する必要書類も会社側と顔を合わせず郵送などで済ませることができます。
退職代行会社ができないこと
退職代行サービスでは「退職する意思を本人に代わって伝えるだけ」となっているので、残業代未払い交渉や損害賠償請求に関することは退職者本人が対応するか弁護士などの有資格者に依頼する必要があります。
退職代行サービスの料金の相場はいくら?
アルバイトや正社員などで金額が変わりますが、3~5万円が退職代行サービスの相場になっています。
会社を辞められないで悩んでいる人へ…退職代行なら即日退職できるかも!
精神的につらかったり、今日にでも会社を辞めたいと思っているのであれば、退職代行サービスを利用しましょう。
中には何度も退職意思を伝えているのに認めてくれない会社もあります。
退職代行サービスで「いつ辞めたいのか」を決める際に即日退職する旨を伝えることで、代行会社がその日に連絡してくれるので、その日に会社を辞めることも可能です。
補足:「バックレ退社」よりは退職代行を利用して連絡をしましょう
「退職することをどうしても伝えられない」「退職願いを届け出たがうやむやにされてどうしても辞められない。」
そのような理由があって辞められないからといって、一切連絡をせずに退職手続きもせずに辞めてしまう「バックレ退社」はやめましょう。
一切連絡が取れない状態だと会社側も「事故や事件に巻き込まれたのでは」と大騒ぎする可能性もあります。退職書類の送り先などもわからないため退職関連の書類が来なくなってしまいます。
完全無視で辞めるよりは利用料が掛かりますが退職代行サービスを利用して連絡は入れましょう。
退職代行サービスと弁護士へ依頼する場合の違い
退職代行サービスには企業が行っているものと、弁護士が行っているものと2種類あります。
退職代行サービス企業と弁護士に依頼する場合でどのような違いがあるのかご説明していきます。
交渉の代理人になれるのは「弁護士」だけ!
企業が運営する退職代行サービスと弁護士の違いは、企業側と退職に関する交渉ができるかどうか、になります。
企業側と退職に関する交渉ができるのは弁護士です。退職代行サービス企業は「退職の連絡を入れるだけ」になり退職前の有給休暇の利用についてや残業代未払い交渉、退職金の交渉などはできません。
またセクハラ・パワハラ・会社と金銭トラブルなどを解決もしたい場合にも弁護士に依頼する必要があります。
弁護士資格を持っていない人が、報酬目的での法律業務を行うと弁護士法違反になってしまいます。
ただ退職代行サービスの会社と弁護士がタッグを組んで業務を行っているところもありますので、どちらを利用したほうがいいのか迷っている方は弁護士がサポートしてくれる退職代行サービスを利用するのが良いでしょう。
弁護士に退職代行を依頼するメリット・デメリット
弁護士に退職代行を依頼した際のメリットやデメリットについて詳しくご説明します。
まずはメリットを見ていきましょう。
- 未払い賃金や退職金などの支払い交渉
- セクハラなどのハラスメントに対する慰謝料請求
- 損害賠償請求された際の対応
- 退職の際に必要な書類の代行作成、またはアドバイスなどをしてもらえる
このように弁護士に依頼することで給与の未払いや退職に必要な書類に関するアドバイスを行ってくれたり、会社とのトラブルが発生しても弁護士が代理で交渉してくれるため円滑な退職が行えます。
さまざまなトラブルに対処可能な弁護士ですが、デメリットとして費用が高いことが挙げられます。
弁護士への相談料 | 5,000円〜10,000円(※初回無料もあります) |
着手金 | 50,000円〜(※相談内容によっては増減あり) |
報酬 | 経済的利益の20%〜(※事務所によってことなります) |
相談料や着手金などは事務所によりますが着手金だけで5万円以上の費用が掛かってしまい、報奨金なども合わせると10万円以上となるので、退職代行サービスに比べて高額になります。
行政書士や司法書士は退職代行の手続きができるの?
会社へ意思を伝えるだけであれば、資格を持っていない場合でも退職代行手続きを行うことができます。
したがって行政書士や司法書士でも、交渉を行わなければ手続き可能です。
また司法書士の中でも国が認定している「認定司法書士」であれば、140万円までであれば弁護士と同様に未払い金の交渉などが可能となっています。
退職代行サービスを使った方が良いケース
会社を辞めたいのに辞められないという場合に使う退職代行サービスですが、具体的にどのような人が利用したほうが良いのかご紹介します。
何度訴えても仕事を辞めさせてもらえない
会社を辞めることを何度も伝えているのに、「忙しいから」「正当な理由がないから」といった理由などでうやむやになって辞めることができていない場合、退職代行サービスを利用しましょう。
中には「こんな忙しい時期に辞めたら会社は損害を受けるから絶対に認めない!」と脅してくる会社もあります。
「人が辞める」のは会社の責任なので、気にせず退職代行利用しましょう。
入社したばかりで退職しにくい
仕事が合わなかったり、人間関係などの問題で退職したいと思っていても入社したばかりだと辞めにくいかもしれません。
また入社前に言っていた労働条件と入社後の労働条件が異なる会社もあるでしょう。
退職代行サービスを利用することで代理で意思を伝えてくもらえるので、入社したてでもスムーズに会社をやめることができるでしょう。
退職届を受理してもらえない「ブラック企業」
会社によって就労規則がありますが、労働基準法では2週間前に退職届を提出すれば退職することができると定められています。
しかしいわゆるブラック企業では「給料を差し引く」「人が少ないからもう少し働いてくれ」などさまざまな理由で退職届を受け取らないケースも。
退職代行サービスを利用することで、うやむやにされることなく退職することができます。
人手不足なので辞めると言いづらい
人手不足で忙しいことが分かってているので、「自分が辞めてしまってもいいのかな」と思ってしまい、辞めることをなかなか言い出しづらいのではないでしょうか。
辞めることを伝えにくいと思っているのであれば、辞める意思を代行して伝えてくれる退職代行サービスを利用しましょう。
精神的・肉体的に追い詰められてる
依頼後に即日対応を行っている退職代行会社も多くあるので、有給などを利用することで依頼当日であっても即日退職のような扱いにすることができます。
どうしようもなく精神的・肉体的に追い詰められているのであれば、まずは相談してみましょう。
退職代行サービスのメリット
退職代行サービスについての概要をご紹介してきました。
ここからは、退職代行サービスを利用するメリットを解説していきます。
「会社を辞めさせてくれない」という精神的な苦痛から解放される
本来、会社は社員が辞めることを強引に引き留めることはできません。
しかし退職届を提出したのにうやむやにされたり、正当な理由がないといった理不尽な理由で辞めることができないことも。
そのような場合でも退職代行サービスを利用することで、理由の説明をすることなく退職することができます。
どうしても辞めさせてくれないというときには、退職代行サービスを利用することで辞められない苦痛から開放されます。
上司に退職の意向を自分で伝えなくてよい
上司に退職の意思を伝えようとしても、怒りっぽい上司やコミュニケーションが取れない上司だと伝えにくかったりしますよね。
退職代行サービスであれば上司に代理で退職の意思を伝えてくれるので、直接会う必要がないため上司からの嫌味を聞いたり退職理由などを話す必要がありません。
顔を合わせずに退職手続きできる
自身で退職手続きを行うと退職するまでは出社する必要があるため、上司や同僚に顔を合わせなければなりません。
そうなると、相手は会社を辞めることを知っているので、「どうして辞めるのか」など悪気がなくても聞かれてしまいますよね。
退職代行サービスを利用すれば必要書類などは郵送すれば良いので、会社に出社することもないため、顔を合わすことなく退職することができます。
即日退職できることも
退職代行サービスでは「即日対応」というものがあり、依頼したその日に退職する旨を連絡することもできます。
ただし即日対応といっても「退職の2週間前連絡」などの規定があるので即日退職できない場合もあります。
ですが有給休暇が余っているのであれば、退職までの期間に当てることによって、事実上即日退職したようにすることも可能です。
退職代行サービスのデメリットや注意点
退職代行サービスは代理で退職の意思を伝えてくれるので、会社と直接話す必要がないといったメリットがあります。
では逆にどのようなデメリットがあるのかご紹介します。
退職代行は交渉できない!退職の意向を伝えるだけ
弁護士との違いでもお話ししましたが、退職代行サービスの中では弁護士資格が無いところもあるため法律上の問題で退職の意思を伝えることしかできません。
退職にあたってトラブルが発生した際の交渉はできないので注意しましょう。
退職代行を利用しても仕事を辞められないことがある【退職代行失敗】
退職代行サービスを利用すれば「必ず会社を退職できる」と思うかもしれませんが、残念ですが確実に辞められるという保証はありません。
退職代行サービスはあくまで「退職を伝える」だけです。
なにか会社とトラブルを抱えている場合や、会社側も強硬な姿勢で対抗してきた場合、退職手続きが難航することもあります。
いきなり退職して会社に損害が出ると損害賠償請求されるケースも
基本的にはありえませんが、退職することを連絡してから正規の手続きを踏まなかったり、それまでに多くの無断欠勤をしていたなど、会社への損害が発生していると損害賠償を請求される可能性もゼロではありません。
過去の事例をみても会社側の損害賠償請求がそのまま成立することは少ないようですが、請求する事自体は可能ですので、激しい戦いがはじまることもあります。
退職するだけなのに「お金」がかかる
退職をするだけであれば上司へ退職願いを提出するだけなので、お金がかかることはありません。
しかし退職代行サービスを利用すると、退職するだけですが3~5万円の費用がかかります。
悪徳な退職代行の会社もある!
2018年ごろからニュースなどで取り上げられ話題となっている退職代行サービスですが、利用者数が多いこともあってか、少なからず悪徳な退職代行会社も存在しています。
利用料が非常に格安な退職代行サービス会社もありますが、振り込んだ後に連絡が取れなくなった等のトラブルが発生することがあるので、実績のある退職代行会社を選びましょう。
退職代行で会社を辞めるときの引き継ぎはどうなるの?
退職代行サービスを利用して会社を辞めようとしたときに、自分が行っていた業務の引き継ぎについて解説してきます。
引継ぎをせずに退職することは「可能」
疑問に思うかもしれませんが、一言で言ってしまえば引き継ぎを行うことなく退職することは可能です。
また代行会社によっては、必要最低限であれば引き継ぎの情報を伝えてくれる会社もあります。
引き継ぎでどうしても不安があれば、そのようなサービスがある退職代行会社を選ぶと良いでしょう。
会社側から損害賠償請求される可能性もある
退職代行を利用することで引き継ぎを行わずに退職することは可能ですが、引き継ぎを行わないことによってトラブルとなってしまい、損害賠償を請求される恐れもあります。
ただし損害賠償請求にも費用と手間がとてもかかり勝てる見込みも少ないので、会社側も余程のことでなければ、損害賠償請求をすることはないでしょう。
引き継ぎが面倒だからという理由で退職代行を使うのはダメ!
引継ぎが面倒だからという安易な理由で退職代行を利用するのは辞めましょう。
たとえば自分が重要な業務を行っていたにも関わらず、引き継ぎを行わずに退職すると会社に損害が発生する恐れがあります。
一番良いのはは自分で辞める意向を伝え引き継ぎを行い、できるだけ円満退職することです。
こちらがちゃんと退職に向けて準備しているのに会社が辞めさせてくれない!というときや嫌がらせ・パワハラが起きてるときにのみ退職代行サービスを使いましょう。
悪徳業者にだまされない!退職代行サービスの選び方のポイント
退職代行サービス会社が最近増えてきていますが、怪しい退職代行サービスもありますので注意しなければなりません。
退職代行サービスを選ぶ際の注意点をご紹介します。
非弁行為に注意!退職代行会社の役目は「退職の意思を伝えるだけ」
前提として退職代行サービスは会社側と交渉ができません。
残業代・給与未払い交渉を行うためには弁護士でなければなりません。
にも関わらず「会社側と交渉します」という退職代行サービスには注意しましょう。
親や親族になりすます退職代行会社はトラブルの原因に
本人以外になりすまして退職連絡をすることもトラブルの原因になります。
親でもないのに「○○の親です」と退職代行サービスが伝えるとなると、退職手続きが無効になってしまったり、親・親族にも多大な迷惑が掛かる可能性もありますので辞めましょう。
退職失敗…でも保証がある!
基本的には法律的にも退職者のほうが立場が強いので、退職の意向をしっかり伝えれば退職ができます。
とはいえ相手があることなので何が起きるかわかりません。
万が一退職できず、「もう少し続けて働くことになりました」となった場合、返金保証がある退職代行サービスもあります。
弁護士事務所と組んでいる退職代行会社なら最低限安心できる
また退職代行サービスと弁護士事務所が組んでいるところもあります。
まずは退職代行サービスから会社に連絡をして、もしトラブルに発展した場合や、追加で交渉を行いたい場合は弁護士を通じて交渉をする、といったことが可能です。
弁護士と組んでいる退職代行サービス会社なら安心です。
おすすめ退職代行サービス
退職代行サービスはいくつかありますが、現在おすすめはこちらです。
SARABA
公式サイトhttps://taisyokudaikou.com/
何度かご紹介しているSARABAです。
もともとはSARABAは会社だったんですが、2019年に労働組合として「退職代行SARABAユニオン」を立ち上げ、労働組合として企業に対して退職代行・交渉を行います。労働組合なので交渉が可能です。
料金も27,000円と業界最安値級です。LINEでも相談可能です。
まずはSARABAに相談してみましょう。
EXIT
公式サイトhttps://www.taishokudaikou.com/
もう1社がEXITです。
いろんなメディア・雑誌にも出ている知名度のある退職代行です。
料金は正社員50,000円とSARABAに比べると割高ですが、実績がありますので2番目におすすめの退職代行サービス会社です。
退職代行サービスを利用して会社を辞める時の流れ
退職代行サービスを使っての退職の流れをご紹介します。
STEP1:退職代行の会社を選ぶ
まずは複数ある退職代行から1社を選びましょう。
STEP2:担当者に相談する
退職代行サービスへ問い合わせをしましょう。
メールや電話、最近ではLINEで相談も可能です。
まずは今どんな状態なのか、いつまでに辞めたいのか、企業側に返してもらいたい書類、返さなければならない借りているもの、などを相談してみましょう。
STEP3:申込み(振込)
具体的に決まってきたら料金を支払います。
相場は3万円から5万円程度です。
STEP4:退職代行会社が会社に連絡する
あとは退職代行会社から会社に連絡をするだけです。
結果を待ちましょう。
退職代行サービスについて まとめ
今話題の退職代行サービスについて詳細をご紹介しました。
退職代行サービスを利用すれば自分の意思で退職を伝えることができない人や、嫌がらせ・パワハラで退職をさせてもらえない人でも、スムーズに退職することができます。
退職したくでもできない人は退職代行サービスの利用をぜひ検討してみてください。